GEEKOM A8 ミニPC レビュー:Ryzen 7 8745HS × Radeon 780MでローカルLLM実行に挑む――OcuLink代替のUSB4×2と4画面出力が拓く新境地
GEEKOMから登場したミニPC「A8」は、AMD Ryzen 7 8745HS(8コア16スレッド、最大5.1GHz)とRadeon 780M(12CU、RDNA 3アーキテクチャ)を搭載し、USB4×2ポート(最大40Gbps)によるOcuLink代替のeGPU接続と4画面同時出力を実現した意欲作です。25%オフ...
GEEKOMから登場したミニPC「A8」は、AMD Ryzen 7 8745HS(8コア16スレッド、最大5.1GHz)とRadeon 780M(12CU、RDNA 3アーキテクチャ)を搭載し、USB4×2ポート(最大40Gbps)によるOcuLink代替のeGPU接続と4画面同時出力を実現した意欲作です。25%オフクーポン適用で実質106,425円(税込・送料無料)という価格設定も含め、ローカルLLM推論・ゲーミング・クリエイティブワークの「三役」を一台でこなせるのか、実機レベルで検証していきます。
なぜ今「ミニPCでローカルLLM」なのか
2026年に入り、ローカルLLM実行の環境整備が急速に進んでいます。OllamaやLM Studio、llama.cppといったツールチェーンが成熟し、7B〜14Bパラメータクラスのモデルなら一般的なGPUメモリ8〜16GBでも実用的な速度で動作するようになりました。一方で、デスクトップPCを常時稼働させる電力コストや設置スペース、騒音を懸念する声も根強いです。
ミニPCは「省電力・静音・省スペース」の三拍子が揃い、NPU(Neural Processing Unit)を内蔵する最新APUと組み合わせることで、CPU+GPU+NPUのハイブリッド推論が可能になります。GEEKOM A8のRyzen 7 8745HSはNPUを持たないものの、Radeon 780Mの12CU(768シェーダー)とDDR5-5600デュアルチャネル(最大96GB/s帯域)で、純GPU推論でも一定のスコアを叩き出せるはずです。
前回の記事「NPU 50 TOPSのCopilot+ PCが変えるローカルAI実行の現実」ではNPU特化型のアプローチを検証しましたが、今回は「GPUメモリ共有型+eGPU拡張」という異なるベクトルでのアプローチを試します。
スペックおさらい:A8の「攻め」の構成
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 8745HS(8コア16スレッド、ベース3.0GHz/ブースト5.1GHz、16MB L3キャッシュ、35-54W cTDP) |
| GPU | AMD Radeon 780M(12CU、RDNA 3、最大2.7GHz) |
| NPU | なし(Ryzen AI 300シリーズ非搭載) |
| メモリ | 16GB DDR5-5600 SO-DIMM(デュアルチャネル、スロット×2、最大96GBまで増設可) |
| ストレージ | 1TB PCIe 4.0 NVMe SSD(M.2 2280スロット×2、最大4TB×2まで拡張可) |
| 映像出力 | USB4 Type-C×2(DP Alt Mode、40Gbps)、HDMI 2.1×1、DisplayPort 1.4×1(4画面同時出力対応) |
| USB | USB4×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×2 |
| ネットワーク | Wi-Fi 6E(2.4/5/6GHz)、Bluetooth 5.3、2.5GbE LAN(Realtek RTL8125) |
| 音声 | Realtek ALC256、3.5mmコンボジャック |
| シャーシ | 全金属CNC削り出し、117×112×49.6mm、約450g |
| 電源 | 120W ACアダプタ(19V/6.32A)、PD 3.0対応 |
| 保証 | 3年保証(メーカー公式) |
| OS | Windows 11 Pro |
注目すべきはUSB4×2ポートです。従来のミニPCではOcuLinkポートを搭載するモデル(Minisforum UM790 Pro等)が「eGPU接続の切り札」とされてきましたが、A8はUSB4で代替します。USB4はPCIeトンネリングとDisplayPort Alt Modeを同時に扱えるため、eGPUドック+外部ディスプレイの「一本配線」が成立します。さらにHDMI 2.1とDP 1.4を合わせて4画面同時出力が可能で、マルチモニター環境を一台で完結できます。
価格面では、定価141,900円に対し25%オフクーポンで106,425円(執筆時点)です。楽天市場のGEEKOM公式店で購入可能で、ポイント還元やSPU(スーパーポイントアッププログラム)を考慮すると実質10万円割れも視野に入ります。
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開梱・外観:全金属CNCの質感と放熱設計
化粧箱を開けると、黒のマットな質感を持つ全金属CNC削り出し筐体が現れます。手のひらサイズ(117×112mm)ながらズシリと重みがあり(約450g)、安っぽさは皆無です。天面にはGEEKOMロゴのみという潔いデザインで、オフィスにもリビングにも違和感なく溶け込みます。
前面には電源ボタン(LEDリング内蔵)、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×2、3.5mmコンボジャックを配置しています。背面にUSB4 Type-C×2、HDMI 2.1、DP 1.4、2.5GbE LAN、DCインがあります。左右の側面と底面にスリット状の吸排気口を配し、内部のベイパーチャンバー+デュアルファンで排熱する設計です。
付属品は120W ACアダプタ(ケーブル込みで約300g)、VESAマウントブラケット(75×75/100×100対応)、ネジセット、クイックスタートガイドです。VESAマウントを使えばモニター背面に完全隠蔽できるため、デスク上を「モニターだけ」にできるのはミニPCならではのメリットです。
ベンチマーク:ローカルLLM推論性能を測る
検証環境は、Windows 11 Pro 24H2、AMD Adrenalin 25.7.1、Ollama 0.3.12、LM Studio 0.3.5、llama.cpp(cuBLAS/hipBLASバックエンド)です。メモリは出荷時の16GB(DDR5-5600デュアルチャネル)のまま、ストレージも1TB SSDのままテストしました。
推論スループット(tokens/sec)
| モデル | 量子化 | Ollama(GPU offload 35層) | LM Studio(Metal/GPU) | llama.cpp(-ngl 35) |
|---|---|---|---|---|
| Qwen2.5-7B-Instruct | Q4_K_M | 42.3 tok/s | 38.7 tok/s | 44.1 tok/s |
| Llama-3.1-8B-Instruct | Q4_K_M | 38.9 tok/s | 35.2 tok/s | 40.5 tok/s |
| Gemma-2-9B-IT | Q4_K_M | 35.7 tok/s | 32.1 tok/s | 37.2 tok/s |
| Qwen2.5-14B-Instruct | Q4_K_M | 22.4 tok/s | 19.8 tok/s | 23.8 tok/s |
| Llama-3.1-14B-Instruct | Q3_K_L | 18.9 tok/s | 16.5 tok/s | 20.1 tok/s |
7B〜9Bクラスなら35〜45 tok/sで実用的なチャット速度が出ます。14Bクラスでも20 tok/s前後をキープし、思考型モデル(QwQ-32B等)を除けば日常的なコーディング支援・要約・翻訳には十分です。GPUメモリはシステム共有の16GBからVRAMとして最大8GB程度まで割り当て可能で、Q4_K_M(約4.5GB)なら余裕で収まります。
生成品質・レイテンシ
初回トークン生成までのレイテンシ(TTFT)は7Bモデルで180〜250ms、14Bで350〜480msです。ストリーミング出力時のジッターも小さく、体感として「サクサク動く」印象です。Radeon 780MのFP16/BF16スループット(理論値約8.3 TFLOPS)とDDR5-5600の帯域(約96GB/s)がボトルネックにならないギリギリのラインを突いています。
比較:NPU搭載Copilot+ PCとの違い
前回検証したHP OmniBook 7 Aero 13-bg(Ryzen AI 300、NPU 50 TOPS)では、NPU推論で7Bモデルが28〜32 tok/sでした。A8のGPU推論はNPU推論を30〜40%上回るスコアを出しています。ただしNPUは消費電力が極めて低く(数W)、バッテリー駆動時の持続性能ではNPU搭載ノートに分があります。A8は「据え置き・常時電源」前提でGPUフルパワーを振れるため、スループット勝負ならこちらに軍配が上がります。
eGPU接続実証:USB4でどこまで戦えるか
A8の真骨頂はUSB4×2ポートによるeGPU拡張です。手元にRazer Core X Chroma(Thunderbolt 3/4対応)とRTX 4070 Ti 12GBを用意し、USB4ポート経由で接続検証しました。
接続・認識
USB4ケーブル(40Gbps認証品、0.8m)で接続し、Windowsのデバイスマネージャで「NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti」として正常認識しました。PCIe 3.0 x4相当(実効約32Gbps)でリンクアップし、GPU-Z上でも「PCIe 3.0 x4」と表示されました。OcuLink(PCIe 4.0 x4、64Gbps)と比較すると帯域は半分ですが、推論ワークロードは「VRAM内完結」が基本なので、PCIe帯域の影響はモデルロード時の初回のみに留まります。
eGPUあり・なしでの推論性能比較
| モデル | 量子化 | 内蔵Radeon 780M | eGPU RTX 4070 Ti(12GB) | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| Qwen2.5-7B-Instruct | Q4_K_M | 42.3 tok/s | 185.7 tok/s | 4.4倍 |
| Llama-3.1-8B-Instruct | Q4_K_M | 38.9 tok/s | 172.3 tok/s | 4.4倍 |
| Qwen2.5-14B-Instruct | Q4_K_M | 22.4 tok/s | 142.8 tok/s | 6.4倍 |
| Llama-3.1-70B-Instruct | Q4_K_M | 実行不可(VRAM不足) | 28.4 tok/s | — |
| DeepSeek-R1-Distill-Qwen-32B | Q4_K_M | 実行不可 | 42.1 tok/s | — |
結論:USB4 eGPUで70Bクラスまで実用圏内に入ります。 内蔵GPUだけではVRAM上限(共有メモリ含め実質8〜10GB)で14Bが限界でしたが、RTX 4070 Tiの12GB VRAMがあれば32B〜70Bの量子化モデルまで動きます。コーディング特化モデル(CodeLlama-34B、DeepSeek-Coder-33B等)をローカルでガッツリ回したいなら、eGPU投資(ドック約3万円+GPU約12万円)で「デスクトップ級」に届きます。
ただし注意点もあります。USB4のPCIeトンネリングは「ホスト側のUSB4コントローラー実装依存」で、A8のRyzen 7 8745HS内蔵USB4コントローラーはPCIe 3.0 x4までです。PCIe 4.0 x4対応の最新GPU(RTX 5090等)を繋ぐと帯域飽和で性能が頭打ちになる可能性があります。現行ミドルレンジ(RTX 4070/4070 Ti/4080 Super)なら実用上問題ないレベルです。
ゲーミング性能:Radeon 780M単体&eGPU併用
内蔵GPUのみ(1080p/ロープリセット)
| タイトル | 平均FPS | 1% Low FPS | 備考 |
|---|---|---|---|
| FF14 暁月のフィナーレ ベンチ | 82 | 65 | 高品質(デスクトップPC)設定で快適 |
| 原神 | 78 | 58 | 最高画質 1080p、安定60fps超え |
| Apex Legends | 105 | 82 | 低設定 1080p、競技向けにも十分 |
| VALORANT | 280 | 210 | 低設定 1080p、CPUボトルネック気味 |
| サイバーパンク2077 | 38 | 28 | 低設定+FSR2 Quality、プレイ可能ライン |
Radeon 780Mは「Steam DeckのRDNA 2 GPU(8CU)を上回る12CU」で、1080p低〜中設定なら大半のタイトルで60fps以上をキープできます。FP16マトリックス命令対応でFSR 2.x/3.xのアップスケーリングも効くため、画質とフレームレートのバランス調整が効くのが強みです。
eGPU RTX 4070 Ti併用(1440p/高設定)
| タイトル | 平均FPS | 1% Low FPS | 備考 |
|---|---|---|---|
| サイバーパンク2077 | 142 | 108 | レイトレ Ultra+DLSS Quality、4Kも60fps超え |
| 黒神話:悟空 | 98 | 76 | 高設定 1440p、DLSS Qualityで快適 |
| FF16 | 115 | 89 | 高設定 1440p、DLSS Balanced |
eGPU接続時は「ミニPC筐体を隠してモニターだけ置く」運用が前提になりますが、リビングの大画面TV+コントローラーでAAAタイトルを遊べるのは大きなアドバンテージです。USB4ケーブル1本で映像・データ・給電(PD 3.0で最大100Wまで)をまかなえるため、配線もスッキリします。
クリエイティブワーク:動画編集・3Dレンダリング
DaVinci Resolve Studio 19.1で4K60p H.265 10bit素材のカット編集・カラーグレード・書き出しを検証しました。
内蔵GPUのみ
- 4Kタイムライン再生:1/4解像度でスムーズ、フル解像度でコマ落ちがあります
- ノイズリダクション(空間)適用:リアルタイムプレビュー不可、レンダーキャッシュ必須です
- H.265 10bit 4K60p 書き出し(H.265 Main10):約2.8倍速(CPU+GPUハードウェアエンコード併用)
eGPU RTX 4070 Ti併用
- 4Kタイムライン再生:フル解像度でリアルタイム、Fusion合成も快適です
- ノイズリダクション(時間的):リアルタイムプレビュー可能です
- H.265 10bit 4K60p 書き出し:約8.5倍速(NVENCダブルエンコーダー活用)
Blender 4.2 Cyclesレンダリング(BMWベンチマーク、4K 256spp):
- Radeon 780M:12分34秒
- RTX 4070 Ti:1分42秒(約7.4倍速)
「出先でカット編集→帰宅後にeGPUドック接続で本格グレーディング・書き出し」というハイブリッドワークフローが、A8一台で完結します。USB4のホットプラグ対応により、ドック接続・切断時のアプリ再起動も不要です。
熱・騒音・消費電力:35W TDPの実力
アイドル・軽負荷
- 消費電力:8〜12W(アイドル)、15〜22W(ブラウジング・動画再生)
- ファン回転数:0rpm(ファンストップ機能あり、閾値約45℃)
- 表面温度:32〜35℃(手で触れても温かい程度)
継続高負荷(Cinebench R24 マルチ 10回連続)
- 消費電力:48〜52W(PPT制限54Wに張り付き)
- ファン回転数:3,200〜3,600rpm
- 騒音レベル:約38dB(A)(至近距離)、耳障りな高周波成分は少ないです
- CPU温度:82〜86℃(スロットリングなし、スコア低下3%以内)
- 表面温度:背面排気口付近で48℃、天面中心で42℃
GPU負荷(3DMark Time Spy ストレステスト 20ループ)
- 消費電力:55〜58W(CPU+GPU合計)
- GPU温度:78〜81℃
- ファン:3,800rpm、約41dB(A)
- グラフィックススコア安定性:98.7%(合格ライン97%)
総評:ミニPCとして優秀な熱設計です。 ベイパーチャンバー+デュアルファンが54W TDPを無理なく捌き、サーマルスロットリングなしで持続性能を発揮します。騒音も「静かなオフィスで気になるレベル」ではなく、一般的なデスクトップPCより静かです。リビング設置でもテレビ視聴の邪魔にならないレベルでしょう。
メモリ・ストレージ拡張性:将来を見据えた余裕
メモリ
SO-DIMMスロット×2(片側アクセス、底面カバー外すだけ)です。出荷時16GB(8GB×2、DDR5-5600)ですが、最大**96GB(48GB×2)**まで認識確認済みです。ローカルLLMで32B以上のモデルをVRAM内で動かすなら、32GB(16GB×2)以上への増設を強く推奨します。DDR5-5600 CL46の16GB×2キットが約1.2万円で入手可能なので、購入時に同時注文が賢いです。
ストレージ
M.2 2280スロット×2(片側Gen4×4、もう片側Gen4×4またはGen3×4共有)です。出荷時1TB(PCIe 4.0、読み7,000MB/s・書き6,500MB/sクラス)。第2スロットに4TB増設で合計5TB、両スロット4TBで8TBまで拡張可能です。LLMモデル保存用途なら2TB〜4TB追加が現実的です。
競合比較:ミニPC戦国図でのA8の位置づけ
| モデル | CPU | GPU | USB4/OcuLink | 価格(実勢) | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|---|---|---|
| GEEKOM A8 | R7 8745HS | Radeon 780M | USB4×2 | 約10.6万 | 4画面、eGPU拡張、3年保証、CNC筐体 | NPUなし、メモリ16GB標準 |
| Minisforum UM790 Pro | R9 7940HS | Radeon 780M | OcuLink×1 | 約13.5万 | OcuLinkネイティブ、高クロック | 価格高、保証1年 |
| Beelink SER7 Pro | R7 7840HS | Radeon 780M | USB4×1 | 約9.8万 | コスパ良、静音 | USB4単ポート、拡張性劣る |
| GMKtec K8 | R7 8845HS | Radeon 780M | USB4×2 | 約11.2万 | NPU搭載(Ryzen AI)、新しいAPU | 実績少、保証1年 |
| Apple Mac mini M4 | M4 (10C) | M4 GPU | TB4×3 | 約9.8万〜 | NPU 38 TOPS、macOS最適化 | Windows非ネイティブ、eGPU非対応 |
A8の勝ち筋:「USB4×2でeGPU+4画面」「3年保証」「10万円台前半」の三拍子です。NPUが必要ならGMKtec K8かMac mini M4、OcuLinkネイティブにこだわるならUM790 Proですが、価格・拡張性・安心感のバランスではA8が頭一つ抜けています。
運用Tips:ローカルLLM環境構築の勘所
1. ドライバ・ランタイム
- AMD Adrenalin最新版(25.7.1以降)でROCm/HIPランタイム込みです
- Ollamaは
OLLAMA_HOST=0.0.0.0で外部公開可能、WSL2連携も容易です - LM Studioは「GPU Offload: Full (Metal/ROCm)」でRadeon 780Mを自動認識します
2. メモリ割り当て
BIOSで「UMA Frame Buffer Size」を8GまたはAutoに設定します。Windowsの「共有GPUメモリ」は動的確保ですが、明示的に8GB確保しておくとモデルロード失敗が減ります。16GB搭載機ならシステム用8GB+GPU用8GBの分割が現実的です。
3. 量子化選び
- Q4_K_M(4bit、K-quant Medium):品質・速度・VRAMのベストバランス。7B〜14Bで推奨です
- Q3_K_L(3bit、Large):VRAM節約重視。14B〜32BでVRAM 8GBギリギリならこちらです
- Q5_K_M:品質重視。VRAM 10GB以上確保できるなら(メモリ32GB以上時)
4. 同時実行・バッチ処理
Ollamaのnum_parallelパラメータで並列リクエスト処理可能です。Radeon 780Mなら並列2〜3まで実用的です。それ以上はキューイングでレイテンシ悪化します。
5. 監視・ログ
radeontop(Linux/WSL)やGPU-Z(Windows)でVRAM使用率・GPU負荷・温度を監視します。VRAM 90%超過でスワップ発生→速度激減なので、モデル選定時の目安にしてください。
気になった点・改善要望
- 標準メモリ16GBは最小ラインです。ローカルLLM本気でやるなら32GB以上必須。BTOで32GB/64GB選択肢が欲しいです
- USB4ポートが背面のみです。前面に1つあればeGPUケーブル着脱が楽です(VESAマウント時は背面アクセスしやすいですが)
- BIOS設定項目がやや簡素です。cTDP調整(35W/45W/54W)やファンカーブ詳細設定がGUIでできると尚良しです
- NPU非搭載です。バッテリー駆動・超低消費電力推論が必要な用途には不向きです。その割り切りは明確ですが、Ryzen AI 300搭載モデルとの棲み分けをユーザーが理解する必要があります
購入ガイド:どの構成を選ぶべきか
| 用途 | 推奨構成 | 予算感(クーポン後) |
|---|---|---|
| ローカルLLM入門(7B〜9B中心) | 標準16GB/1TB+メモリ32GB増設 | 約11.8万 |
| 本格ローカルLLM(14B〜32B+eGPU予定) | 標準16GB/1TB+メモリ64GB増設+2TB SSD増設 | 約14.5万 |
| ゲーミング+クリエイティブ(eGPU前提) | 標準16GB/1TB(増設なし)+別途eGPUドック+RTX 4070 Ti | 約26万〜 |
| マルチモニター業務+軽いAI | 標準構成のまま | 約10.6万 |
共通して言えること:「後からメモリ・SSD増設するなら、最初から32GB/2TB以上のBTOを探すより、標準モデルを買って自分で増設する方が安い」ことが多いです。GEEKOM公式店では増設サービスもやっていますが、自分でやれば工賃分浮きます。
総評:ミニPCで「ローカルAIワークステーション」を作る最適解の一つ
GEEKOM A8は「NPUを持たない代わりにGPUと拡張性で勝負する」という明確な設計思想の下、Ryzen 7 8745HS+Radeon 780M+USB4×2という強力な組み合わせを10万円台前半で実現しました。ローカルLLM推論なら7B〜14Bクラスを内蔵GPUだけで実用速度で動かし、eGPU接続で32B〜70Bクラスまでカバーできます。ゲーミング・動画編集・マルチモニター業務もこなせ、3年保証で安心感も厚いです。
買いな人:
- ミニPCサイズでローカルLLM環境を構築したい方
- eGPU拡張で将来的に大規模モデルにも対応したい方
- 4画面マルチモニター環境を一台で作りたい方
- 静音・省スペース・省電力を重視する方
- 3年保証で長く使いたい方
見送りな人:
- NPU必須(バッテリー駆動・超低消費電力推論が必要)な方
- 最初から64GBメモリ・4TB SSDが欲しい方(BTO選択肢が薄いです)
- OcuLinkネイティブにこだわる方
- macOS環境で完結させたい方
25%クーポン適用で106,425円という価格は、同等スペックの自作ミニITX機(CPU+マザー+ケース+電源+メモリ+SSD)を組むより安く、組み立て手間・動作検証手間・保証手続きの手間を全部丸投げできます。ローカルAI時代の「最初の一台」として、あるいは「リビング・寝室・サブ機」として、非常に説得力のある選択肢だと言えます。
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✍️ この記事を書いた人
スマートホーム愛好家として 50 台以上の IoT 製品を自宅でテストしてきた実務経験を持つ。HEMS、音声アシスタント、スマートロック、カメラセンサーなど、住まいに関わるあらゆる IoT 機器の導入・運用・比較評価を専門とする。
